陰部・肛門部痛

陰部・肛門痛は原因追究が大変難しい症状のひとつでもあり直腸疾患・痔核・肛門疾患、腰部神経疾患か泌尿器系症状か婦人科疾患か各専門科で器質的疾患の有無のスクリーニングが必要になってきます。
器質的異常がない場合は機能的異常が疑われます。
生理的要因として骨盤底筋、膀胱金、肛門挙筋などの筋攣縮が考えられます。
慢性骨盤痛、膀胱筋の攣縮、恥骨痛などメカニズムとして心理的ストレス、自律神経系のアンバランスが考えられます。
又、内臓に分布 迷走神経の影響が関与している可能性もあり腸内環境を正し、骨盤内静脈うっ滞(東洋医学の淤血)が関与する場合もあり心理的社会的ストレスが考えられます。
その他恥骨痛、陰部痛、殿部痛など伴いますので、この後のブログ記事も参考にお読み下さい。

尾骨痛

尾骨痛は女性に多く骨盤・股関節・尾骨の外傷または分娩での影響が原因と考えられます。
恥骨痛・殿部痛を伴う事もあります。

その他神経の圧迫、自律神経の衰弱、子宮感染等、女性に多いのは屈曲している子宮の反射疼痛で、骨盤の構造上尾骨が外力を受けやすい為だと思われます。上記諸検査受診し
正常であれば骨盤帯・股関節の可動性を正常に近づけ恥骨筋、肛門筋、骨盤筋等、尾骨に関連する諸筋群、靭帯の柔軟性・筋硬結を和らげる事と保存的療法として疼痛部の保護・坐位の改善・便通の調整・精神の安定・骨盤底筋の緊張の緩和が必要でしょう。
特に尾骨筋は外傷、坐位での荷重・坐位姿勢等、影響を受け、歪み・ねじれが尾骨痛として症状が慢性化する事があります。
まず尾骨筋と骨盤帯の緊張を緩和し、バランスを正常に正す事が大切だと思っています。

殿部痛

当センターでは殿部痛で来院される方が比較的多く腰痛、肩こりと同様、誰もが経験する症状です。
殿部は上部は腰椎で中部は骨盤帯(仙骨)下部は股関節で連結されてどの機態が影響を受け殿部痛が発生しているのか医学的解剖学知識と神経学が必要になって来ます。
時によって症状により各科専門医に紹介する場合もあります。
機態学的観点から
①腰椎からの影響は 慢性的腰椎症か。坐骨神経は腰筋の硬化、左右腰方形筋のバランスが重要になってきます。腰仙骨と共に精査しなければなりません。
②仙骨からにの影響は 殿部は骨盤と仙骨で構成されているためこれらの部分に歪み・ねじれが生じ弛緩と部分的な筋短縮があると仙腸関節では正常な運動に破綻をきたし可動異常が殿部痛をまねくのではないかと思われます。
③股関節からの影響
長い間職業柄、股関節のX線撮影検査を実施して来ましたが股関節の形態は各個人特徴があり中には先天的股関節脱臼の疑いの人も見受けられます。
又、股関節は球関節なので予想以上の可動域が可能ですが現代社会においては坐る生活になり殿筋の筋委縮、筋硬縮が認められ股関節の可動制限になっています。
又極端な方軸足スポーツテニス・バレー等球技、スポーツ全般に軸足の筋硬化、短縮が殿部痛に移行します。
仙骨、股関節を含む骨盤帯に付着する靭帯大殿筋、中殿筋、梨状筋等、諸筋群の可動性バランスを重要視して正常可動域に復する事が殿部痛緩和に重要なポイントになると思われます。
又肩こり、腰痛、その他不定愁訴は骨盤帯に有ると着目し施術に当たっています。

恥骨痛

骨盤と仙骨で構成されている骨盤帯は後方では仙腸関節 前方は恥骨結合で連絡されています。股関節も一部影響が有り、れらの部分に歪み、ねじれ、弛緩と部分的な筋萎縮が生じると仙腸関節では正常な運動に破綻をきたし可動異常が起こり、恥骨結合部に波及してくるのではないかとえられます。症状としては腰仙部痛、殿部痛、恥骨痛ばど訴え、仙腸関節や恥骨結合に圧痛が生じX線検査で歪みが確認されます。この様な連結部の異常可動性が発生すると、体重負荷などで仙腸関節の運動に破綻をきたし恥骨結合部に過剰な負担が掛るのではないかと推測できます。
出産後に発症したり立ち仕事が長い人、激しいスポーツ、重量物の運搬など注意が必要です。仙骨関節部を含む骨盤帯に付着する靭帯、筋、大殿筋、中殿筋、梨状筋等の諸筋群のバランスを重要視して正常可動域に復する事が恥骨結合への剪断力を軽減するのが恥骨痛の緩和に重要なポイントになると思われます。